前方や左右など規則性が見つからない移動を続けているけれども船同士が適当な距離を維持できるのは、汽笛を聞いてお互いの行動を把握できているからです。
汽笛が鳴る回数や長短で船の動きが読めますから、熟知していると前もって進行方向がわかります。
たとえば、汽笛が短く一度もしくは二回だけ聞こえる場合には右か左へ進む前兆です。
前者であれば右に方向転換し、そうでないなら船首が左へ向きます。
誰かと船に乗っているときに汽笛が聞こえてきたら、内容に応じて間もなく起こる事象を言い当てると感心されます。
手信号などの特殊な意思表示方法は、世間一般に知れ渡っていない傾向があるからです。
海上における知識を披露できる機会として活用できるので、わざわざ話の種を探さなくとも事足ります。
また、少しばかり長く鳴らされたあとで短い音が聞こえたのであれば前方に何かしらの存在があります。
特定の一隻を追い抜く場合に鳴らされる音なので、遅かれ早かれ正体が見えます。
船には旗や音などの信号があります
海上には、毎日多くの船が走行していますが、他の船とや、陸上との情報をやりとりする手段に信号が用いられています。
この信号には、旗や音でメッセージを伝えるものや、光や無線(電波)を使用して通信を行う方法があります。
旗の中には、旗りゅう信号と呼ばれる、A~Zの英字や0~9までの数字を、旗の形や模様、色などのデザインを変えてそれぞれ表現し、マストなどに掲げて情報を発信したりします。
これは、国際的に統一され使用されていますので、言葉が違う国同士であっても旗で通信するこが可能となっています。
また、霧などで旗が見えないとされる場合などには、汽笛の長さや回数を組み合わせて、音による通信をすることがあります。
この音は、短音や長音が基準となり、回数や短音と長音の組み合わせに意味をもっています。
港では、電光掲示板にアルファベットを表示して、入航や出航、注意などを表して、安全に船が通航できるように情報を発信しています。